オーバートレーニング症候群について知りたい方は必見。
この記事では、ハードな筋トレや激しい運動で起こるオーバートレーニング症候群の症状や原因、対処法などを解説します。
「なんか変だなぁ」
「筋トレの効果でてるのかな」
「モチベーションが上がらない」
ちなみに僕も筋トレ初心者の頃にオーバートレーニング症候群になったことがあります。
今はバリバリ元気ですが、回復するまで当時は1ヶ月ほど筋トレを休みました。
記事の内容
- オーバートレーニング症候群とは
- 具体的な症状
- 発症する原因
- 判断の目安
- 対処法
慢性的な疲労感や長引く不調がオーバートレーニング症候群なのかどうか分かりますよ。
オーバートレーニング症候群とは
筋トレや激しい運動による生理的疲労が蓄積したまま完全に回復できていない「慢性疲労」の状態のこと
具体的な症状
- 倦怠感
- 睡眠障害
- 体重の減少
- 免疫機能の低下
- パフォーマンスの低下
オーバートレーニング症候群の対処法
- 休養をしっかりとる
- 余裕をもたせたメニュー
- 短時間でのトレーニング
目次
オーバートレーニング症候群とは
オーバートレーニング症候群とは
筋トレや激しい運動による生理的疲労が蓄積したまま完全に回復できていない「慢性疲労」の状態のこと
ザックリ言うと「やりすぎや休養不足による疲労状態」です。
ダメージや疲れは回復しないと調子が悪くなりますよね。
筋トレで追い込んだ後も、傷ついた筋肉を修復する必要があります。
ちなみに似ている言葉で「オーバーワーク」や「オーバーリーチング」があります。
オーバーワーク | オーバーリーチング |
過度に行うこと | 自分の力以上にがんばること |
それぞれの定義はいくつかありますが、ざっくり言うと一時的に無理すること。
オーバーワークもオーバーリーチングも、繰り返すとオーバートレーニング症候群になると言われています。
また、一時的に休めば回復するとも言われていていますが、オーバートレーニング症候群の場合は数週間から数ヶ月の長期間の休養が必要になるケースもあるんです。
オーバートレーニング症候群の具体的な症状
具体的な症状
- 倦怠感
- 睡眠障害
- 体重の減少
- 免疫機能の低下
- パフォーマンスの低下
症状⓵:倦怠感
オーバートレーニング症候群になると、「なんだか体がだるおも~」という状態になります。
気分も落ち込みやすく、ちょっとしたことでもイライラしがち。
鬱(うつ)にもなりやすくモチベーションも上がりにくくなります。
症状②:睡眠障害
睡眠が浅く翌日も疲れが残っているような感覚になります。
ひどい場合には、つねに不安を感じてなかなか寝付けません。
症状③:体重の減少
とくにダイエットもしてないのに、食欲不振なども影響して体重が減っていきます。
嬉しいと感じるかもしれませんが、健康的な痩せ方ではなく周りが心配するような痩せ方です。
その他にもひどい場合には肺に穴があいたり、横紋筋融解症が併発する可能性もあります。
横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう):筋肉が破壊され血管に流れる
症状④:免疫機能の低下
筋トレのデメリットの1つでもありますが、オーバートレーニングのような長時間の激しい運動は一時的に免疫機能が低下します。
実際にさまざまな免疫が下がるという研究報告も出ていて、免疫低下によって「風邪をひく」「口唇ヘルペスができる」などの悪影響がでてきます。
症状⑤:パフォーマンスの低下
「陸上や競泳でタイムが下がる」「野球やサッカーの試合で結果を残せない」など競技成績も低下することが多いです。
また筋トレでも、以前は持ち上げられた重さが持ち上げられなくなることがあります。
症状が出た人の中には「重力が何倍にも感じた」と話す経験者もいました。
発症する原因
ザックリいうと、オーバートレーニング症候群の原因は「やりすぎ」「休養不足」です。
また、厚生労働省の見解では視床下部や脳下垂体から分泌されるホルモンのバランスが崩れるためと考えられています。
具体的な発症要因を見ていきましょう。
オーバートレーニング症候群の要因
- 運動負荷が強すぎる
- 回復ができていない
- トレーニングの偏り
原因⓵:運動負荷が強すぎる
運動負荷のかけすぎはオーバートレーニング症候群になりやすいです。
筋トレの際にも
- 回数が多すぎる
- セット数が多すぎる
- ウエイトが重すぎる
などは気をつけましょう。
トレーニング7大原則の1つ「漸進性の原則」にもあるように、負荷を上げるなら急激にではなく段階的に上げていくのが理想です。
原因②:回復ができていない
休養不足もオーバートレーニング症候群の大きな原因の1つです。
筋肉痛が回復する前に筋トレしていたり、ベンチプレスを3日連続で行ったりなど。
休むことも大事なトレーニングなので、意識して回復期間を作るようにしましょうね。
原因③:トレーニングの偏り
ずっと同じ部位ばかり鍛えることも、オーバートレーニング症候群を誘発する可能性があります。
例えば1週間ずっと大胸筋だけを鍛えるなど、アンバランスな筋トレはやめておきましょう。
オーバートレーニング症候群は嘘?
ここまでオーバートレーニング症候群について解説してきましたが、実は「オーバートレーニングなんて嘘だ」という意見もあるんです。
なぜなら何時間もハードなトレーニングを続けて良い結果を残しているアスリートやボディビルダーも実際にいるからです。
他にもこんな声があります。
- 休みたいだけだ
- 追い込まないと効果は出ない
- 有酸素ではなっても筋トレではならない
気持ちは分かりますが、実際に自分がオーバートレーニング症候群になった経験やトレーナーの立場としては、オーバートレーニング症候群は嘘じゃないと考えています。
また、オーバートレーニング症候群で大幅にパフォーマンスが低下したという調査結果も実際に出ています。
オーバートレーニング症候群か見極める判断の目安
最初にお話ししたとおり、オーバートレーニング症候群の原因は「やりすぎや休養不足による疲労状態」です。
ただし「どのくらいがやりすぎなのか」「どのくらいが休養不足なのか」は人それぞれで明確な基準はありません。
このサインが出たらオーバートレーニング症候群かもしれないという目安を知っておけば判断もしやすいですね。
オーバートレーニング症候群の目安
- 筋肉痛の回復が遅い
- 心拍数や血圧の上昇
- 軽い負荷でもきつく感じる
- モチベーションが上がらない
- 上げられていた重量が上がらない
⓵:筋肉痛の回復が遅い
「筋肉痛の回復が以前より長引いてるな」と感じたらオーバートレーニング症候群を疑ったほうがいいかもしれません。
しばらく筋肉痛が続くだけでなく、慢性的な疲労感やパンプアップしなくなったという場合も可能性は高いです。
②:心拍数や血圧の上昇
心拍数や血圧値の異変も、オーバートレーニング症候群の目安となります。
安静時の脈が早かったり、朝の脈が普段よりも10拍以上多かったりなど。
その他にも体への異変としては
- 便秘
- 下痢
- めまい
- たちくらみ
- 月経周期の乱れ
などがあります。
③:軽い負荷でもきつく感じる
筋トレで軽いウエイトなのに重く感じたり、ちょっとしたランニングで息が切れたりなども判断の目安になります。
軽い負荷がきつく感じたら、無理に続けずに休憩をいれましょう。
④:モチベーションが上がらない
トレーニングやスポーツの試合でモチベーションが上がらない状態が続くなら、オーバートレーニング症候群の可能性があります。
また、「気分が乗らない」「集中力が続かない」「すぐにイライラする」など本人でも異変や兆候に気づかない場合もあるんです。
⑤:挙げられていた重量が挙がらない
目に見えて分かる兆候として「以前はできていたことができなくなった」などがあります。
例えば、以前はベンチプレスで100kgを10回挙げられていたけど5回しか挙げられなくなったなどの場合です。
これはオーバートレーニングの特徴でもある
- 筋力低下
- 体重減少
- 筋肉量の減少
の影響が考えられます。
オーバートレーニング症候群になったときの対処法
オーバートレーニング症候群の対処法
- 休養をしっかりとる
- 余裕をもたせたメニュー
- 短時間でのトレーニング
オーバートレーニング症候群は、メンタル面の不調によってうつが併発するケースも多いんです。
そのためうつ治療に準じた薬物療法もありますが、ここでは薬を使わずにできる3つの対処法を解説しますね。
対処法⓵:休養をしっかりとる
オーバートレーニング症候群による不調や疲労を感じたら、1度しっかり立ち止まりましょうね。
休養することも大事なトレーニングです。
対処法②:余裕をもたせたメニュー
真面目な人ほどオーバートレーニング症候群にかかりやすいと言われています。
「サボったらダメ」「毎日トレーニングする」という気持ちも大事ですが、ある程度の余裕をもつことも必要。
- 日によって鍛える部位を分ける
- 完全オフの日をもうける
- 重量は徐々に上げる
などの対処法を参考にしてみてください。
また部位にもよりますが、筋肉痛の回復には24時間~72時間(1日~3日)ほどの間隔をあけた方がいいですよ。
対処法③:短時間でのトレーニング
長時間のトレーニングは控えましょう。
不調のときは短い時間でのトレーニングにするなど、臨機応変に切り替えるといいですよ。
短時間の方が集中力も続きやすいです。
筋トレするなら知っておきたいオーバートレーニング症候群:まとめ
では筋トレのオーバートレーニング症候群についておさらいします。
オーバートレーニング症候群とは
筋トレや激しい運動による生理的疲労が蓄積したまま完全に回復できていない「慢性疲労」の状態のこと
具体的な症状
- 倦怠感
- 睡眠障害
- 体重の減少
- 免疫機能の低下
- パフォーマンスの低下
オーバートレーニング症候群の対処法
- 休養をしっかりとる
- 余裕をもたせたメニュー
- 短時間でのトレーニング
「オーバートレーニング症候群なんて自分は大丈夫だろう」と甘くみて油断していたら後悔するかもしれません。
筋トレやスポーツの効果が出ないのは、トレーニング不足ではなくトレーニングのやりすぎという場合もあるんです。
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